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2024.09.30 映画
9月29日(日)開催『ボルテスV レガシー』ジャパンプレミアオフィシャルレポート
9月29日(日)に『ボルテスV レガシー』のジャパンプレミアが開催されました。
堀江美都子、白倉伸一郎(本作エグゼクティブ・プロデューサー)、ミレーン・J・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使が舞台挨拶に登壇いたしました。オフィシャルレポートをお届けいたします。
日時:9月29日(日) 場所:丸の内TOEI スクリーン① 登壇者:堀江美都子、白倉伸一郎(本作エグゼクティブ・プロデューサー)、 ミレーン・J・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使 ※敬称略 MC:荘口彰久 |
舞台挨拶には、原作アニメのOP主題歌「ボルテスVの歌」を担当する堀江美都子が登壇した。
赤いジャケットに赤いホットパンツ、大きく「V」があしらわれたブーツと、「ボルテスV」のために作った特別な衣装で登場すると、さっそく「ボルテスVの歌」を生歌唱。劇場に集まった「ボルテスV」ファンたちから手拍子と歓声、そして割れんばかりの拍手があがっていた。熱い歌声を届けた堀江は「皆さんと一緒に一体感を持って歌えることは幸せだなと思いました。最高でした!」とコメントした。
ここで、本編鑑賞後の観客へ堀江から「マリアンヌ・アームストロングというアームストロング兄弟の母の役を演じさせていただきました」とサプライズ発表!本日ジャパンプレミアでの吹替版上映をもって、吹替版キャストが完全解禁。フロスガー(ネッド・アームストロング)役を三上哲、リチャード・スミス役を山中誠也、オスカー・ロビンソン役を相樂真太郎が務め、さらに、諏訪部順一がプリンス・ザルドス役とボアザン帝国皇帝ザンボジル役の二役を演じていることも明らかになった。そして、堀江が主人公の母であり、ボルテスVの開発者の1人であるマリアンヌ・アームストロング役として出演していることも明かされた!吹替キャストとして出演したことについて、堀江は「最初母役と聞いて、気軽にお受けしたら、脚本を読んで、母であり、科学者であり、戦闘機のパイロットであり、そして最後には死んでしまうという…。どんな母?と思いました。台本が来てからビビりましたし、収録はすっごい緊張しました。ボルテス・チームの5人は最高に上手でした」と振り返った。
トークセッションでは、本作のエグゼクティブ・プロデューサーである白倉伸一郎も登壇。「77年当時のボルテスVファン、そして堀江美都子さんファンとして登壇しています」と冗談交じりに挨拶すると会場から笑いが上がった。トークセッションでは、まず堀江に本編の感想を尋ねると、「自分の吹替の演技が気になってしまいますが…(笑)。すごいリスペクトされていて、いいところがしっかりまとまっていて素晴らしいです。フィリピンの歌手の方に歌っていただいた主題歌「ボルテスVの歌」もすごく研究してくださったみたいで、日本語もお上手ですし歌い方も研究して歌ってくださったみたいで、嬉しいです」とコメント。白倉にフィリピンで映像化されたいきさつについて尋ねると「僕もよくわからないんですよね」と驚きのコメント。「フィリピンで大人気とは聞いていたのですが、実写版で放送されると聞いたときは嘘だと思いました。そのあと、フィリピンからパイロット映像が届いたときは、ほぼほぼ完成作に近いようなすごいものが来て、『バカなの!?』と(笑)。CGからデザインまで本気中の本気すぎて驚きました」と明かす。堀江も「戦闘シーンやCGがすごいですよね。ロボットの大きさやガシーンガシーンという感じが再現されていてすごかったです」と感嘆。白倉からは「コロナで撮影が中断していた期間でCGチームがネチネチ修正し続けてあのクオリティになったと聞いています」と制作秘話が明かされた。
アニメ「ボルテスV」関連でフィリピンに複数回訪問しているという堀江。国賓扱いであるという噂の真偽をうかがうと、「国賓というほどではありませんが…。ある程度のVIP待遇で、空港はオールフリーパスでした。空港から車で出ると、白バイが先導してくれたりして…私は車に乗りながら『すみません』という気持ちでした」と現地の熱狂ぶりを振り返った。フィリピンで1時間のコンサートを行ったそうだが、「ずっと「ボルテスVの歌」なんです。みんな『ボルテス!ボルテス!』とコールがやまなくて笑。ずっと『ボルテスVの歌』を歌い続けました」と圧倒的な「ボルテスVの歌」人気を伝えてくれた。堀江が『ボルテスVの歌』を歌った当初は女性歌手のアニメソングはほとんどなかった。オファーされた当時の心境について「ロボットアニメ歌いたくてしょうがなかったんです。お年頃だったので、かっこいいなあとあこがれていて。歌えて本当にうれしかったです」と振り返った。
そして、映画公開を記念してスタートしたクラウドファンディングで即日目標を達成し、つい先日、故・水木一郎氏が歌っていた原作アニメのエンディングテーマ「父をもとめて」のカバーのレコーディングを行った話に、堀江は「水木さんとはよく同じ壇上で歌いましたが、今回のレコーディングはその延長のようでした。当日はアニキが来てくれたような気がしていて、歌った後には『やるよ、この曲』と言ってくれているような気がしました。ずっと一緒に歌ってきた仲間で、アニメソングが冷遇されていた時代もありましたけど、お互いに励ましあって、子供たちに誠実に誇りをもって歌っていこうという話をしていたので、兄であり同志ですね」と感慨にふけった。
唯一、原作アニメと実写版の両方に関わった堀江。半世紀にわたって付き合い続けた「ボルテスVの歌」がどんな存在か問われると、「私が歌い続ける限り歌う曲なんだと、覚悟を決めました。一生一緒にいる、という思いです」と思いを吐露した。
TV放映から約半世紀、今も愛され続け実写化まで果たした「ボルテスV」の魅力を尋ねると、白倉は「非の打ち所がない、どこが魅力かと聞かれてもわからないくらいです。ほかにもたくさんロボットアニメはありますが、改めてこうやってアニメを見直してみると、ものすごくよくできている。デザインもそうですし、敵キャラも含めて人間関係がすごく洗練されている名作だと思います。もう一度その価値に光が当たるのはうれしいことですし、自分自身も再発見できたかなと思います」と回答。堀江からは「フィリピンの方が50年近くピュアに愛し続けられるのはなぜなんだろうと思って。フィリピンの方の国民性もあると思いますが、やっぱりストーリーで描かれる家族愛というのが大きくて、より心に響くのかなと思います。日本にはたくさんの作品があるから、いろんな作品に目移りしてしまうけれど、この機会に『ボルテスV レガシー』、そして「超電磁マシーン ボルテスV」をいろんな方に楽しんでいただけたらいいなと思います」と語った。
そして、製作国であるフィリピンを代表して、ミレーン・J・ガルシア=アルバノ駐日フィリピン大使がゲストとして登場。アルバノフィリピン大使は「『ボルテスV レガシー』の日本での初上映に立ち会えて光栄です。私は愛されたこのアニメに魅了され育ちました。今一緒にいる私の大使館の職員を含め、多くのフィリピン人にとって特別な存在であることはよく知っています。元々日本で制作されたこのボルテス V は単なるテレビ番組以上のものとなり、フィリピンで文化現象となりました。このアニメは、優れたストーリーテリングの力を示し、その素晴らしいストーリーと、それが教えてくれた価値観、家族、友情、忍耐で世代を超えた感動を与えました。多くのフィリピン人にとって、このアニメはただのエンターテインメントだけではなく、長く心に残るインスピレーションの源でありました。今日、ボルテス V が帰ってきました。日本で始まったこの作品はフィリピンで愛され、そしてフィリピン人俳優を起用し新たに映画化され帰ってきました。このことは両国の深い文化的な繋がりと何十年にもわたって築いてきた友好関係を再認識させてくれる素晴らしいものです。この機会を可能にしてくれたすべての方々に心から感謝します。ボルテス V がフィリピンで成功したように、ここ日本でも成功を収めることを確信しています」とあいさつ。「ボルテスV」がフィリピンと日本の文化の懸け橋となったことを印象付ける瞬間となった。
必殺技であるVの字斬りのモーションをするボルテスVのボードを前に行われたフォトセッションでは、堀江の「レッツ・ボルトイン!」という掛け声とともにポーズを披露。会場の至るところから掛け声が聞こえ、観客の愛を感じる時間となった。
最後に、堀江が「本日はジャパンプレミアにお越しいただきありがとうございました。10月18日に字幕版、吹替版とも公開となりますので、お知り合いの方にもおしらせいただいて、ぜひみなさんで盛り上げていただきたいと思います。また公開しましたらご覧ください!」とあいさつし、大きな拍手に包まれて舞台挨拶は幕を下ろした。